ウ ズ ベ ク 語 文 法

ウズ和辞書

   わかりやすさを心がけたウズベク語文法です。初級は、ウズベク語と日本語を並列させて、その対応関係を示しました。上級編は、ウズベキスタン サマルカンド大学のウズベク語文法書「形態論 Morfologiya」を要約したものです。
   Izohot Yaponcha grammatika ウズベク語文法に沿った日本語文法

目次
1 初級編
 1 名詞文・・・〜は、(名詞)です:ではない
 2 名詞文の応用
        私の名前は・・・です、これは・・・いくらしますか?
        強調・疑問・否定疑問・過去形
 3 形容詞文
 4 接辞(affix)概論

2 上級編
 1 名詞
 2 形容詞
 3 数詞
 4 代名詞
 5 動詞
      5ー1 動詞時制
      5ー2 動詞のムード(法)
      5ー3 動詞の態(ボイス)
      5ー4 動詞の機能形
 6 副詞
 7 付属語
 著者あと書き
 参考(文法用語)


1 初級編 ※ ※ ※
   直訳と翻訳(日本語)を付け、訳だけでは不十分な語彙等には、解説を付けました。
参考
「みんなの日本語」 ウズベク語版
サマルカンド大学のウズベク語文法
ウズベキスタン共和国科学アカデミーの英語文法書
英語のウズベク語文法(上級編でも参考)

1 名詞文・・・〜は、(名詞)です:ではない

(1) 私は、(名詞)です:ではない
      ウズベク語  Men  talabaman    :   Men  talaba  emasman
      直訳 私 学生わたし : 私 学生 ないわたし
      日本語 私は 学生です : 私は 学生 でない

      ウズベク語 Men 30yoshdaman : Men 30yoshda emasman
      直訳 私 30歳 だ わたし: 私 30歳 だ ないわたし
      日本語 私は30歳 です : 私は30歳 で ない
  解説:「は」にあたる助詞・接辞は、ウズベク語にない。men=私、talaba=学生、man は一人称接辞、emas=断定・存在を示す動詞e+否定mas、 da は、断定を示す助詞。
  ウズベク語の語順は、SOV型(主語+目的語+動詞)と分類されるのが通説。
  ただし格を示すsuffix接尾辞をもつためか、しばしば S(主語)が省略される。上の例では、Menが省略される。一見 OVS型

(2) (名詞)は、(名詞)です:ではない
      ウズベク語  Itlar hayvonlari-dir :   Itlar olmaxonlar emas
      直訳 犬 動物 だ : 犬 リス ない
      日本語 犬は 動物 です: 犬は リス でない
  解説:dir は、断定を示す助詞。正書法ではハイフォンをつけることとされているが、省略されることが多い。it=犬、hayvon=動物、olmaxon=リス、lar,lari=ら(複数)
  疑問文は、文末に mi? などを付ける。(人称接辞が siz の場合には、...misiz? も使われる。)


(3) (三人称)は、(名詞)です:ではない
      ウズベク語  Janob Satoo talaba  :   Janob Satoo talaba emas
      直訳 さん 佐藤 学生 : さん 佐藤 学生 ない
      日本語 佐藤さんは 学生です : 佐藤さんは 学生 でない
  解説:emas は、三人称単数で人称接辞が付かない。一人称複数emasmiz、二人称emassiz emassizlar、三人称複数emaslarなど
  Janob=敬称。satooについて:長母音は母音の連続または母音の後に ` をつける。なお、o` は o とは別の母音

(4) (代名詞)は、(名詞)です:ではない
      ウズベク語  Bu   kitob meniki      :   Bu   kitob meniki   emas
      直訳 この 本 わたしの : この 本 わたしの ない
      日本語 この 本は わたしのです: この 本は わたしの でない
  解説:これ=bu、kitob=本、meniki=わたしのもの、それ=u,o`sha あれ=ana u どれ=qa(qayer,qaysiなど)

  蛇足:日本語訳として主格を示す助詞「は」を書きましたが、日常語では省略されることが多い(日本語古語では、ウズベク語と同様に主格は助詞を伴わない)。また、肯定「です」は、共通語以外の普通の日本語では「だ」「だす」(否定「ない」は、「ちゃう」)などとなる、しかも肯定は省略されやすい。したがって、直訳で方言にした方が素直でわかりやすいかも?「この 本 わたしの ちゃう」・・・など (そうなると日本語訳は不要となってしまいますが、それくらい日本語に構造が似ているということで!!!)


2 名詞文の応用
    (1)私の名前は・・・です、これは・・・いくらしますか?
      ウズベク語  Mening ismim       Satoo   :   Bu     necha      pul?
      直訳 私の 名前わたし 佐藤 : これ どんだけ 金額?
      日本語 私の 名前は 佐藤です: これは いくらですか?
      解説:ing , im は人称接辞、ism=名前、necha=どれだけ、pul=金額

    (2)強調・疑問・否定疑問・過去形

    強調         Bu kitob sizniki → Bu kitob siznikidir
                 この本はあなたの → この本はあなたのです

    疑問文       Bu kitob sizniki → Bu kitob siznikimi?
                 この本はあなたの → この本はあなたの
                  -mi 以外では-chi なども使われる。なお、疑問代名詞があれば -mi は不要
                  -mi は、原則として文の最後に置かれるが、二人称のみは例外で -misiz?(-misan?) となる場合が多い

    否定疑問文  emas+人称(man siz - miz sizlar lar)→ emas+人称(同左)+mi?    二人称は emasmisiz? が多い
                    人称は、後述の動詞接辞「man」グループによる

    過去形       (emas)→ (emas) edi+人称(m ng - k ngiz lar)
                    人称は、後述の動詞接辞「m」グループによる


3 形容詞文

(1) (名詞)は、(形容詞)
      ウズベク語  Satoo   novcha   :  Satoo   novcha   emas
      直訳 佐藤 背高い  : 佐藤 背高い ない
      日本語 佐藤は 背が高い : 佐藤は 背が高く ない
  解説:novcha=背が高い

(2) (名詞)は、(比較・最上級)(形容詞)
      ウズベク語 Satoo Yamamotodan novcharoq
      直訳 佐藤 山本 より 背高いもっと
      日本語 佐藤は 山本 よりも 背が高い

      ウズベク語 Satoo odamlarning ichida eng novcha
      直訳 佐藤 男性ら の なかで もっとも 背高い
      日本語 佐藤は 男性 の なかで もっとも 背が高い
  解説:roq=もっと dan=〜より odam=男性 lar=ら(複数)ich=中 i=属格 da=〜で
  形容詞の比較 比較相手+dan 形容詞+roq  :最上級  eng 形容詞

  動詞文などは、次の「2 上級編」を読んでください。


4 接辞(affix)概論
  ウズベク語は、多くの接辞(affix)など(辞書には、約300語を登録)を使い、さまざまな派生語を生みます。後述の接辞と重なりますが、主なものを挙げると次のとおりです。詳しい意味・つかわれかた・例文などは、後述及び辞書でみてください
  (本書では、affix:接辞とは、付加によって新たな語をつくるものとする 考え方に従います。)

(1) 接頭辞(prefix)
  anti(アンチ〜、反〜、抗〜)、be(〜のない、〜をもたない)、no(不、否、未、〜でない)、qa(ど?)、ser(おおい〜、たくさん〜、〜に富んだ、〜に満ちた、多〜、豊〜)

(2) 接尾辞(suffix)
  bon,boz,dor,xon(〜者、〜人)、chalik(〜ほど、〜ぐらい)、chil(〜い、〜な、〜の)、 chilik(〜ということ、〜であるもの)、dagi(〜にある、〜のところにある、〜における)、day(〜のように、〜のような)、dek(〜よりも、〜ほど、〜くらい)、lab(何〜、〜く)、niki(〜のもの、〜のところ、〜んち、〜製)、noma(〜書、〜状)、paz(〜売り、〜屋)、xona(〜部屋、〜屋、〜所)、zor(〜の ところ、〜場、〜地、〜畑)

(3) 前置詞の形で使われる接頭語
  to(〜まで)、xoh(〜かどうか)

  (注)mi(〜ですか?)、-chi(〜はどうですか?)、-a(は?)などを「疑問接辞」として扱っている解説書もあるようですが、サマルカンド大学の「形態論 Morfologiya」では、付属語のうちの yuklamalar(不変化詞・助詞)として分類しています。 参照 ウズベク語正書法 55など。


2 上級編 ※ ※ ※

   ウズベキスタン サマルカンド大学の文法書を翻訳し要約したものです。原典中の「ロシア語との相違や言語学の専門的な説明」は はぶいて、やさしいものと しました。
出典(原典):「形態論 Morfologiya」サマルカンド大学
ダウンロード済みの Morfologiya (色 省略)

   半角()は、原典のもの。全角()は、訳語。(注)、(注)・・・、(注:・・・)は、訳者のコメント

1 名詞
(1) 複数カテゴリー
    ウズベク語では、複数カテゴリーに2つの 使いかたがある。
    1 形態的な使いかた 2 統語的な使いかた
    1番目の使いかたでは、名詞に-lar接辞が加えられて造られる。qushlar(鳥ら), yo`llar(道), dalalar(野原), qishloqlar(村々)のように
    2番目の使いかたでは、複数言葉の手助けで造られる。bir to`p bola(ひと 束の 子), o`nta bola(10人の子), bir guruh bola(ひと グループの 子), ko`p bola(多くの 子), bir necha bola(なん人かの 子), bir to`da bola(ひと 群の 子), ancha bola(かなりの数の 子) のように
    (注)bola の1番目の使いかたは、bolalar(子供ら、複数形)。2番目の使いかたでは、単数形・辞書形となる。
    なお、-lar接辞は、単純に複数をあらわす場合と抽象名詞にする場合の2種類があるようです。抽象名詞の例 yulduzlar(スター) yulduz(星)、suvlar(水資源) suv(水)


(2) 所有カテゴリー
    名詞には、所有・所属 接辞がつけられる。
    tog`a(母方のおじ) kitob(本)  の場合
単数の場合複数の場合
人称母音の後子音の後母音の後子音の後
I
II
III
tog‘a-m
tog‘a-ng
tog‘a-si
kitob-im
kitob-ing
kitob-i
tog‘a-miz
tog‘a-ngiz
tog‘a-lari(si)
kitob-imiz
kitob-ingiz
kitob-lari(i) 

    (注)ハイフォンは、わかりやすくするために原典で付けられたもの。実際には tog‘a-m は、tog‘am と書かれる。以下同じ。
    tog‘am(私の おじ)、kitobi(かれの本 または 特定された本)

    (注)子音k ,q で おわる 言葉に所有接辞が付くと、原則として k→g 、 q→g` に変わります。例 kubok→kubogi(コップ)、issiq→issig`i(暑さ) 参照 ウズベク語正書法 34。
    (注)基本形と所有形のつづりがほんの少し異なる言葉もあります。例 ko`ngil→ko`nglim(私の心)、bu→buningiz(あなた方の これ) 参照 ウズベク語正書法 35。

(3) 格カテゴリー
    名詞の格を示すには、格接辞がつけられる。
    kim(だれ) nima(なに) qayer(どこ)  の場合
主格属格対格与格所格奪格
\接辞
ning(の)ni(を)ga {ka,qa}(に、へ)da(の所で)dan(から)
kim?
nima?
qayer? 
Kimning?
nimaning?
qayerning? 
Kimni?
nimani?
qayerni? 
Kimga?
nimaga?
qayerga? 
Kimda?
nimada?
qayerda? 
Kimdan?
nimadan?
qayerdan? 

    (注)men, sen 代名詞に ning、ni サフィックスが 付くと n 子音の一つが省略される。 men+ning → mening、men+ni → meni、sen+ning → sening、sen+ni → seni 参照 ウズベク語正書法 35 4)。

(4) 名詞をつくる接辞
    -chi, -kor, -kash, -do‘z, -boz, -dosh, -lik, -chilik, -iston,-don,-xona, -ma
    たとえば:xizmatchi, paxtakor, mehnatkash, etikdo‘z, masxaraboz, sinfdosh, do‘stlik, sabzavotchilik, guliston, siyohdon, oshxona, qovurma のように。

    一部を表にしたのが、次のとおり
接辞-chi-dosh-lik-iston-ma
元の語xizmatsinfdo‘stgulqovur
元の語の訳仕事学級友達炒める
名詞xizmatchisinfdoshdo‘stlikgulistonqovurma
名詞の訳従業員級友友情花園炒め物


    (注)likは、動詞にも付けられる。seni uchrata olmaslik あなたに あえないこと。qulflanganligi uchun 鍵がかかっているので ligiは、lik の所有接辞のつく形
    (注)接辞の意味・つかわれかた・例文は、辞書でみてください。以下に出てくる接辞についても同様です


2 形容詞
    形容詞をつくる接辞
    -li, -lik, -siz, -gi (-ki, -qi), -kor, -iy, -viy,-simon, be-, no-, -mas,-imli, -chan
    たとえば:chiroyli, qishloqlik, suvsiz, kuzgi, kechki, tashqi, ehtiyotkor, aqliy, tarbiyaviy, to‘lqinsimon, bemaza, noqulay, yengilmas, sevimli, ishchan のように。

    一部を表にしたのが、次のとおり
接辞-li-siz-gibe--imli
元の語chiroysuvkuzmazasev
元の語の訳ハンサム好(す)く
形容詞chiroylisuvsizkuzgibemazasevimli
形容詞の訳ハンサムな水のない秋のまずい大好きな



3 数詞
(1) 基数詞と複合数詞
birikkiuchto`rtbesholtiyettisakkizto`qqiz o`n
12345678910
yigirmao‘ttizqirqellikoltmishyetmishsaksonto‘qsonyuzming
20304050607080901001,000
millionmilliardtrillion以上
基数詞
以下
複合数詞
o`n birbir yuz o`ttiz oltiikki ming ikki yuz to`qson yetti
1,000,00010億1兆111362,297

    (注:1〜10、20,30,40...90、100、1000 は、個別の数詞がある。あいだの数字は、これらを組み合わせて表す。万単位でなく千単位の桁あがり。 参照 ウズベク語正書法 62。)

(2) 助数詞
    基数詞に -ta 接辞(注:日本語の「〜つ」にあたる)をつけてつくられる
    yuzta qo`y(100匹の羊), mingta daraxt(千本の木), o`n mingta daftar(1万冊のノート) のように。

(3) 序数詞
    基数詞に -nchi, -inchi 接辞(注:日本語の「〜つ目」または「番目」にあたる)のうち、適合するものをつけてつくられる
    ikkinchi(2つ目 / 2番目), to‘rtinchi(4つ目 / 4番目), o‘n birinchi(11番目), yetmish sakkizinchi(78番目) のように。


4 代名詞
(1) 人称代名詞
人称単数の場合複数の場合
Imen(私)biz(私ら)
IIsen(あなた)
siz○(君)
siz(君達)
sizlar○(君達)
IIIu(かれ)ular(かれら)

    (注)赤字の代名詞は、原典どおり(標準語ないし理論)。○印の代名詞は、著者が記入したもの(常用)。
    (注)なお、sen は親しい間柄に使われることが多いようです(常用)。
    (注)以下の説明(特に「5 動詞」)でも同様の注釈が必要ですが、繁雑さを避けるため省略します。


(2) 再帰代名詞
人称単数の場合複数の場合
Io‘zim(私自身)o‘zimiz(私ら自身)
IIo‘zing(君自身)o‘zingiz(君達自身)
IIIo‘zi(かれ自身)o‘zlari(かれら自身)

    (注:o`z(自身) に、1 名詞 (1) 所有カテゴリーで取り上げた 所有・所属 接辞<子音の後の場合>が付いたものと考えられる。)

(3) 疑問代名詞
    (単数)kim?(だれ?) nima?(なに?) qanday?(どのように) qaysi?(どの?) necha?(なにほど?) nechta?(いくつ?) qancha?(いくら?、どれだけ?) qachon?(いつ?、どんな時期) nega?(なぜ?) nimaga?(なにに?) nechanchi?(なんという?) kimniki?(だれの?) など
    (複数)kimlar? nimalar? qaysilari? nechtalar? qanchalar? nechalar? qachonlar? など
    (注:いろいろとバリエーションがありますが、つまるところ、kim=だれ、ne=なに、qa=どう みたいです。)

(4) 定代名詞
    hamma(すべて), bari(すべてのもの), jami(全部), barcha(全て), butun(総計), yalpi(全般)
    (複合)har bir(それぞれ), har narsa(どれでも), har kim(だれでも), har nima(なんでも)


5 動詞
    述語としての動詞には、各種の接辞などが 付けられる。
    一般形=動詞 + (否定接辞) + 時制 (または ムード)+ 人称接辞 + (疑問接辞 + ?、!)

5ー1 動詞時制
(1) 統一形(注:共通形=動詞 + 時制 + 人称接辞)
    時制の形態素によって、人称接辞は「man」または「m」のどちらかのグループとなる。
    (注:人称接辞をグループ化すると次のようになる)
人称「man」グループ「m」グループ
単数複数単数複数
I
II
III
-man
-siz(-san)
III人称時制接辞
-miz
-sizlar(-siz)
-III人称時制接辞+lar
-m
-ng
-k
-ngiz
-lar

    (注:時制は、日本語と同様に文章の終わりに示されることが多い。例 men ishlab, yapon tilini o`rgangan edim 文章の時制は文末に示された とおい過去形(gan edi)なので、「働く(ishla)」の時制も、とおい過去となる。)

(2) 種類
    (a)現在・未来形、(b)未来不定形、(c)あきらかな過去形、(d)ちかい過去形、(e)とおい過去形、(f) 現在進行形、(g)過去進行形の7種類

(a) 現在・未来形・・・(注:日本語の現在形に相当する。)
    時制=-a,-y(〜する)、人称接辞=「man」グループ、III人称時制接辞=「di」が付く
    bor(行く) yasha(住む)  の場合
単数の場合複数の場合
人称母音の後子音の後母音の後子音の後
I
II
III
bor-a-man
bor-a-san
bor-a-di
yasha-y-man
yasha-y-san
yasha-y-di
bor-a-miz
bor-a-siz
bor-a-dilar
yasha-y-miz
yasha-y-siz
yasha-y-dilar

    boraman(私は行く)、yasha-y-dilar(彼らは住む)など
    (注:「母音の後」「子音の後」の変化は、時制にかかわらず同じ。)

(b) 未来不定形・・・(注:日本語にはない。)
    時制=-ar,-r(将来〜する)、人称接辞=「man」グループ、III人称時制接辞=付かない
    ko‘r(見る) o‘qi(読む)  の場合
単数の場合複数の場合
人称母音の後子音の後母音の後子音の後
I
II
III
ko‘r-ar-man
ko‘r-ar-san
ko‘r-ar
o‘qi-r-man
o‘qi-r-san
o‘qi-r
ko‘r-ar-miz
ko‘r-ar-siz
ko‘r-ar-lar
o‘qi-r-miz
o‘qi-r-siz
o‘qi-r-lar


(注:「母音・子音の後」の変化や人称接辞グループは、統一形どおりなので、以下では、I人称単数とIII称単数を例示します。

(c) あきらかな過去形・・・(注:日本語の完了形・過去形に近い。英語では、過去形または現在完了形に相当する。現在形に訳されるときもある。)
    時制=-di(〜した)、人称接辞=「m」グループ
    ko‘r-di-m (私は見た)
    ko‘r-di (かれは見た)

(注2:事実の発生が過去であるが、現在も続いている場合にも使われるので、この点は日本語標準語の過去形と異なります。多くの文法書では、この点を明記してないので、誤解を招きやすい。日本語標準語の過去形≠現在の状態(君はいいやつだった≠今もいいやつ) 参考The Uzbek Glossary Tense/Aspect 英語ですが下の方にわかりやすい図があります

  例-1 Biz chanqadim 訳:We are thirsty 我々は喉が渇いている・・・出典 The Uzbek Glossary Tense/Aspect
  上記ウズベク語の直訳:「我々は喉が渇いた」
  「喉が渇く」という事実の発生は過去ですが、その状態は現在も続いている。
  したがって、日本語標準語の訳は、現在形の「我々は喉が渇いている」となり、
  日本語のほとんどの方言では、ウズベク語と同じく「我々は喉が渇いた」となる。)

  例-2 O`z oilamni sog`indim 訳:家族に会えなくて、寂しいです。・・・出典「みんなの日本語 ウズベク語版」
  直訳:自分の家族を(O`z oilamni)〜いなくてさみしく思った(sog`indim)。
  「〜いなくてさみしく思った」という事実の発生は過去ですが、その状態は現在も続いている。
  したがって、日本語の正しい訳は、現在形の「寂しいです」となる。(「寂しい」が形容詞であるため、現在形になる。)

(注3:過去形の事実発生時点として、原典に述べられている推定時点(めやす)は、次のとおり。)

  あきらかな過去形:近い何日か前 または それ以内
  ちかい過去形:1ヶ月かそれ以上前
  とおい過去形:1年かそれ以上前

(d) ちかい過去形(注:日本語の完了形に近い。)
    時制=-gan(〜した)、人称接辞=「man」グループ、III人称時制接辞=付かない
    ko‘r-gan-man (私は見た)
    ko‘r-gan (かれは見た)
(注:動詞+gan は、連体形等として使われる場合もあります。この場合には日本語の完了形とほぼ同じ時制のようです。)

(e) とおい過去形・・・(注:日本語では、古語の「き」に相当する。今の共通語の日本語に 無い形。時制を意識して 訳すとすれば、「〜したことがある」)
    時制=-gan edi(〜したことがある)、人称接辞=「m」グループ
    yodla-gan edi-m (私は記憶したことがある)
    yodla-gan edi  (かれは記憶したことがある)

(f) 現在進行形・・・(注:英語の現在進行形に相当する。日本語の非完結アスペクトに近い)
    時制=-yap、-moqda(〜している)、人称接辞=「man」グループ
    -moqdaは、文語調で固い表現。口語ではあまり使われない
    III人称時制接辞:「yap」には「ti」が付く、「moqda」には付かない。
    o‘qi-yap-man、o‘qi-moqda-man (私は読んでいる)
    o‘qi-yapti、o‘qi-moqda (かれは読んでいる)
    (注:現在・未来形 + yotir + 人称接尾辞 も現在進行形ですが、日常使われない文語表現。)

(g)過去進行形・・・(注:英語の過去進行形に相当する。日本語の非完結アスペクトに近い)
    時制=-ar edi,-(r edi)、-moqda edi、-yotgan edi(〜していた)、人称接辞=「m」グループ
    o‘qi-r edi-m、o‘qi-moqda edi-m、o‘qi-yotgan edi-m (私は読んでいた)
    o‘qi-r edi、o‘qi-moqda edi、o‘qi-yotgan edi (かれは読んでいた)

(3) 否定形
    否定接辞を動詞の後に付ける。(注:日本語と同じような並び)
    未来不定形時制及び e-動詞:否定接辞=-mas
    現在・未来形:否定接辞=-may
    それ以外:否定接辞=-ma
    (注:なお、原点には (d) ちかい過去形及び(e) とおい過去形の場合に、yo‘q、emas を使った否定形式も例示されているが、今回は触れない。
    基本的な使い方は、両方とも文章の終わりにつける。yo‘q は、人称が付かないが、emas は人称が付く。 名詞文の応用を参照)


(4) 疑問形
    疑問を示す接辞 -mi?(〜か?)などを最終に付ける。ただし、-san -sizの場合には、人称接辞の前に付けることが多い。mi-san?、mi-siz? となる。

(5) 以上を まとめて bor(行く)、II人称単数の場合を表にすると次のとおり。
時制肯定形否定形疑問形
現在・未来形bor-a-sizbor-may-sizbor-a-siz-mi?
bor-a-mi-siz?
未来不定形bor-ar-sizbor-mas-sizbor-ar-siz-mi?
bor-ar-mi-siz?
あきらかな過去形bor-di-ngbor-ma-di-ngbor-di-ng-mi?
ちかい過去形bor-gan-sizbor-ma-gan-sizbor-gan-siz-mi?
bor-gan-mi-siz?
とおい過去形bor-gan edi-ngbor-ma-gan edi-ngbor-gan edi-ng-mi?
現在進行形bor-yap-siz
bor-moqda-siz
bor-ma-yap-siz
bor-yap-siz-mi?
過去進行形bor-ar edi-ng
bor-moqda edi-ng
bor-yotgan edi-ng
bor-mas edi-ng

bor-ma-yotgan edi-ng
例示なし

例示なし

    ※ -moqda は、否定形では通常使われない。疑問形もごくまれにしか使われない。
    (注:時制接辞の例外は、過去進行形の否定形。例示なし については、bor-ar edi-ng-mi? など)


5ー2 動詞のムード(法)
(1) 意図形(〜したい)
    (注:原典では「4ー1 動詞時制」の中で論じているが、意図は、ムード(法)とするのが一般的であること、また、時制の中では混乱しやすくなることから、別の項としました。)
    意図を示す接辞 moqchi(〜したい) を動詞の次に付ける。未来形と過去形がある
時制肯定形否定形人称接辞グループ
未来形動詞 + moqchi + 人称接辞動詞 + moqchi  emas + 人称接辞「man」グループ
III人称時制接辞=付かない
過去形動詞 + moqchi  edi + 人称接辞動詞 + moqchi  emas  edi + 人称接辞「m」グループ


(2) 提案・命令ムード
    (注:原典では、mayllari「ムード、法」の「2. Buyruq-istak mayli」としている。)
人称単数の場合複数の場合
Iyoz-ay
(母音の後はay→y)
yoz-aylik
(母音の後はaylik→ylik)
書きましょう
IIyoz
yoz-gin
yoz-inglar
yoz-izlar
書きなさい
書いてよ
IIIyoz-sinyoz-sinlar書くものとする

    (注:II人称単数に-ing -inglarが付けられると丁寧なお願い表現<〜してください> になる。)

(3) 条件ムード
    動詞語幹に -sa 接辞をつけ、その後に人称接辞をつける。
    borsam(私が行けば), borsang, borsa, borsak, borsangiz, borsalar のように
    (注 bor:行く、 sa:〜すれば、なお否定形は masa:〜しなければ bormasa など)


5ー3 動詞の態(ボイス)
(1) 再帰態・受動態
    動詞に -l、-il、-n、-in 接辞をつけて つくられる。
    yuvinmoq, yiqilmoq(再帰態)、bug`doy ekildi,hosil to`plandi(受動態)のように
    (注:日本語の動詞には再帰態はない。yuv:<馬の足を>洗う、yuvin:<自分の顔を>洗う)
    (注:日本語の動詞の受動態は受身形。ek:蒔く、植える、ekil:蒔かれる、植えられる)
    (注:日本語の〜さ「」る  と関連づけると覚えやすい。paxta ekilmadi 綿が蒔かなかった)


(2) 交互態
    動詞に -sh, -ish, -lash 接辞をつけて つくられる。
    ikkovlashib ishlashdi,ashula aytishdi, opa-uka suhbatlashdi のように
    (注:日本語の動詞の交互態は補助動詞(〜しあう)などを つけて示す。ishla:働く、ishlash:一緒に働く、ayt:うたう、aytish:ともに歌う、suhbatlash:話し合う)


(3) 使役態
    動詞に -t, -dir, -tir, -ar, -ir などの 接辞をつけて つくられる。
    she`rni o`qit, bolalarni kuldir,kalitni toptir, tomga chiqar, qushlarni uchir のように
    (注:使役形。o`qi:まなぶ、o`qit:教える:学ばせる、kul:笑う、kuldir:笑わせる、top:見つける、toptir:見つけさせる、chiq:登る、chiqar:登らせる、uch:飛ぶ、uchir:飛ばす)
    (注:日本語の〜さ「」ると関連づけると覚えやすい。kuldirmaydi 笑わない)


5ー4 動詞の機能形
(1) 動名詞(Harakat nomi)
    動詞に -sh, -ish, -v, -uv, -moq 接辞をつけて つくられる。
    否定形は、 -maslik 接辞をつけてつくられる。

    たとえば、ishlash(勤め), ishlamaslik(無職), ishlov, ishlamoq, to`qish, to`quv, to`qimoq(織ること), to`qimaslik, o`qish, o`qi使役形shlar, o`qishim(私の読書), o`qishimni(私の読書を) のように

    (注:lar,im,ni:人称接辞、格接辞


(2) 形容詞形(Sifatdosh)
    それ自身で形容と形質に対して特別な性質を明らかにする動詞の形である。
    動詞に -gan (-kan, qan), -r, -ar, -vchi,-uvchi 接辞をつけて つくられる。

    o`qigan kitobim(読んだ私の本), kelgan mehmonlar(来客), ekkan daraxtingiz(あなたの植えた木), taqqan galstugi(身に着けたネクタイ), oqar suv(流れる水), aytar gap(話すおしゃべり), yashar joyini(住む場所を), fikrlovchi kishiga(考える人に), bog`chada ishlovchi ayollar(保育所で働く女性) のように

    たとえば:Men o`qigan kitoblarimining ro`yxatini yozib boraman.(私は、読んだ本の記録を書いています。) Bultur ekkan daraxtlarimizning barchasi gulladi.(去年植えた我々の木は、すべて花が咲いた。)

    (注:日本語の連体形に相当)


(3) 副詞形(Ravishdosh)
    動詞に -b, -ib, -a, -y, -gach (-kach, -qach), -guncha (-kuncha, quncha), -gani (-kani, -qani) 接辞をつけて つくられる。
    否定形は、 -ma, -may, -masdan 接辞をつけてつくる。
    状態と形質に対して特別なサインを持たせる形式である。

    turib gapirdi(立って話した), o`ylab ayting(考えて話してください), yura-yura charchadi(歩きまわってつかれた), o`qiy-o`qiy o`rgandi(よく読んで学んだ), kelgach(来てから), ekkach(蒔いてから), chiqqach(出かけてから), uyga borguncha(家に行くまで), ko`ylagini tikkuncha(シャツを縫うまで), qo`ylarni boqquncha(羊を飼うまで), to`yga aytgani, chiqindilarni to`kkani(ゴミ捨て), nishonlarini taqqani(バッジをつけること)のように
    たとえば:O‘ynab aytsang ham, o‘ylab ayt.(踊りながら話していても、考えて話しなさい) Men yangi va qiyin so‘zlarni takrorlay-takrorlay yodlab olar edim.(私は新しくて難しい単語を繰り返しー繰り返し、暗記していた)

    (注:日本語の動詞と ほぼ同じ使い方ですが、その意味は理解しにくいものも多い。例えば「買う」は、sotib ol- 直訳で「売りを得る」など)
    (注:-gani (-kani, -qani) 接辞は、名詞として使われる場合もあるようです。aytayotgani haqiqat 「言っていることは ほんとだ」 など)


6 副詞
    副詞をつくる接辞
    -cha, -lab, -ona, -dek, -day など
    たとえば:yangicha, oylab, do`stona, o`qdek, yashinday のように。

    表にしたのが、次のとおり
接辞-cha-lab-ona-dek-day
元の語yangioydo`sto`qyashin
元の語の訳新しい友達稲妻
副詞yangichaoylabdo`stonao`qdekyashinday
副詞の訳新しく月のように好意的に矢のごとく稲妻のように



7 付属語(yordamchi so`zlar)
    自立語間の文法関係をあらわすもの
    接続詞(bog`lovchilar)、不変化詞・助詞(yuklamalar) と 後置詞(ko`makchilar)を入れることができる。

(1) 接続詞
    等接続詞:va, hamda, ammo, lekin, biroq, yo, yoki, ham など
    従属接続詞:chunki, agar, agarda, basharti, garchi, ki など
(2) 不変化詞・助詞
    接辞不変化詞・助詞:-mi, -chi, -ya, -ku, -gina, -da, -oq など
    単語不変化詞・助詞:hatto, faqat, axir, xuddi, naq, ham, nahotki など
(3) 後置詞
    bilan, uchun, kabi, singari, sayin, sari, uzra
    tomon, tashqari, burun, ilgari, keyin, yon, o`rta
    ko`ra, yarasha, qarab, boshlab, tortib, qaramay, qaraganda, osha など


著者あと書き
原典は、文語・原則・一般理論を示しています。日常会話や方言では、多少異なる使い方もあるようです。
例 gan edi-(原則・一般理論では、とおい過去形) が現在完了形として使われている
hozir chiqib kelmoqchi bo`lib turgan edim 今から出かけるところなんです   出典:「みんなの日本語」 ウズベク語版

参考
    「形態論 Morfologiya」サマルカンド大学で使われている主な文法用語とその訳
    (注:この要約ページに出てこない単語もあります。
    単・複は、無視しています。ウズベク語では複数形で類(型)をあらわす場合があります。
    sonlar=数詞類 の中に基数詞、複合数詞などが含まれる。
    なお、文法用語全般については、ウズ和辞書上段で「 {Gr} 」と入力して検索してみてください。)


文法用語(ウズベク語)文法用語(ウズベク語)
ot名詞ko`plik kategoriyasi複数カテゴリー
egalik kategoriyasi所有カテゴリーkelishik kategoriyasi格カテゴリー
shaxs主語、人称
bosh kelishik主格qaratqich kelishigi属格
tushum kelishigi対格jo`nalish kelishigi与格
o`rin-payt kelishigi所格chiqish kelishigi奪格
sifat形容詞
son数詞
miqdor sonlar基数詞murakkab sonlar複合数詞
dona sonlar助数詞tartib sonlar序数詞
tasdiq shakli肯定形inkor shakli否定形
birlik sonda単数の場合ko`plik sonda複数の場合
sanoq sonlar数え数詞taqsim sonlarわり算数詞
jamlovchi sonlar集合数詞kasr sonlar分数数詞
olmosh代名詞
kishilik olmoshi人称代名詞o`zlik olmoshi再帰代名詞
so`roq olmoshi疑問代名詞ko`rsatish olmoshi指示代名詞
belgilash olmoshi定代名詞gumon olmoshi不定代名詞
fe`l動詞
fe`l zamonlari動詞時制kelasi zamon fe`li未来時制動詞
hozirgi zamon fe`li現在時制動詞o`tgan zamon fe`li過去時制動詞
kelasi zamon gumon shakli未来不定形hozirgi-kelasi zamon shakli現在・未来形
aniq o`tgan zamon shakliあきらかな過去形yaqin o`tgan zamon shakliちかい過去形
uzoq o`tgan zamon shakliとおい過去形
kelasi zamon maqsad shakli fe`l未来意図形動詞o`tgan zamon maqsad fe`li過去意図動詞
hozirgi zamon davom shakli現在進行形o`tgan zamon davom fe`li過去進行形動詞
maylムード、法nisbat態、ボイス、形
ravish副詞
yordamchi so`zlar付属語
bog`lovchi接続詞
yuklama不変化詞・助詞
ko`makchi後置詞


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